[後編] 平成24年度 京都映画・映像企画市/京都映画若手才能育成ラボ撮影 報告会 レポート |
平成24年度京都映画・映像企画市の評価者のみなさんよりいただきましたコメントをご紹介させていただいた後、城西国際大学メディア学部教授/キネマ旬報社顧問の掛尾良夫さんと辻本貴則監督による「映画・映像企画を実現するには ~海外マーケットを視野に入れた戦略~」と題したパネルディスカッションが開催されました。ここでは京都映画若手才能育成ラボや辻本監督のパイロット版映像『Battle of Kyoto ~未来特区ネオウズマサ~』のケースをもとに、企画を実現させるひとつの方法として、海外を意識した戦略について考察が行われました。
「評価者の日活・千葉プロデューサーから“やはり日本語にすると字幕が出てしまうので、セールス時に少しハードルが高くなってしまう。英語にしておけばかなり売りやすくなるので、アクションがメインならば最初から英語でいいのでは?”とアドバイスをいただき、それに即したキャスティングをして、最初から海外を意識していました」と話す辻本さん。これに対して掛尾さんから、「アクションで海外に売っていくというのは伝わってきたが、ネオウズマサの世界観が見えてこなかった。アクションはすごいなと、でも僕はそこにどんなストーリーが付いてくるのかなと期待していました」と少々厳しいコメントが。こちらについては辻本さんも課題として捉えられているようで様々な方にアドバイスをいただいていたようです。
また、限られた予算の中で世界観をすべて表現することが難しかったとのことで、「プレゼンテーション審査の時に、“見えない武器”が映像化された時にどうなるか見たいと言われたことが印象にあったので、今回はそこに重点を置いて作りました。また人物の気持ちをちゃんとストーリーの中に入れていけば違ったアクション映画になるのかなどの狙いはありました」と今回の作品制作における考えを語られました。『Battle of Kyoto ~未来特区ネオウズマサ~』の今後の展開などもいろいろと構想されているとのことで、掛尾さんからは是非実現していただきたいと、応援のコメントがありました。
今年度のプレゼンテーション審査まで残すところあと約1ヶ月となりました。どのような作品が選ばれるのか非常に楽しみです。